私達の使っているサイトに広告が表示されますよね。その広告が自分にとってとても関心が高い内容がよく表示されると思います。それは、ユーザーがどんなものに興味があるのか? どの辺にいるのか? を理解しているのでふさわしい広告が表示されるようになっている仕組みです。
主には検索する行為を元にしています。実はこれって、私からすると「たちがわるい」と思っています。なので広告をブロックするようなアプリを別に入れております。それにより無駄な広告は排除されています。この広告を業としている人もいますし、私自身アフェリエイトサイトも運用しているのですべてが駄目だとは思っていません。自分に興味・関心がある広告なら喜んで見て見たいと思う人も一定数いると思うからです。
何が嫌かというとこのデータが多くのところへ流れて行って利用されているからなのです。Googleを見た時にGoogleで表示される分には悪い気はしません。ですが、Facebookなどでもこのデータが流れ行ってしまうのです。Googleはこのような仕組みを2022年に廃止すると宣言をしました。違う仕組みにするという宣言になります。
ここで一つ言葉を紹介したいと思います。
「顧客を商品とみなしていたら大儲けすることができるが、我々はそれをしないことを選んだ」とティム・クック氏が語るように、Appleは、前CEOスティーブ・ジョブズ氏の時代から一貫してユーザーの個人情報保護に力を注いでいる。
GoogleやFacebookに対しての言葉とも取れる言葉です。
そして、今回のiOS14.5によってAppleは完全に舵を切り、ユーザーの個人情報の選択をユーザーに任せるようにしました。自分好みの広告を配信して欲しいと思う人は、ONにすることで今までとおりの広告が表示されるようになります。一方で個人の情報を守りたいと思う人はOFFにする、iOS14.5にアップデートをすると最初からOFFになっています。
具体例をあげると天気アプリで今いる場所の天気を確認したとします。すると広告が表示されるようなサイトに行くと今いる場所でのおすすめのレストランや食事処などが表示されるというものです。過去にレストランや食事処を検索したことがここに反映されるという仕組みです。
昨日、居酒屋を検索した場合は近くの居酒屋、美容室を検索したなら美容室の広告が出てきます。なんとなく気持ちが悪いですよね。今後問題になってくるであろうことは、検索に対するデータが個人情報かという点です。FacebookはこのAppleのやり方に猛反発して新聞に全面広告で反論しています。これほど反論するには莫大な利益喪失があるからにほかなりません。
特に、日本ではiPhoneユーザーが日本全体の約50%となっており世界でダントツのトップです。日本のやり方でスマホが安く手に入る機会が多かったのが原因の一つでもあり、諸外国では高すぎて買えないという事情もありそうです。余談になりますが、新興国などの旅行でiPhoneは外では使わないのが身の安全を守るためでもあります。
そのiPhoneをアップデートすると初期設定がOFFになっていることはFacebookにとってはとても手痛いアップデートとなっています。GoogleはFacebookまでは反対はしていないようですが、社内ではてんやわんやだと推測しています。自分にあった広告を出して欲しい人はONにしなければ、トラッキングは出来ません。詳しい方でない限り、ONにはしないということです。
Appleのティム・クック氏が言う「顧客を商品とみなしていたら大儲けすることができるが、我々はそれをしないことを選んだ」ということば通りに淡々と今はなきスティーブ・ジョブズの血を引き継いでいると思います。
Appleはハードウェアを提供している会社です。Googleもハードウェアも作っていますが、売上は全体からするとまだまだと言えるでしょう。主な収入源は広告です。Facebookも広告が主たる収入源となります。日本のようにiPhoneのシェアが50%もある国で、このアップデートはFacebookには止めることはありません。多分、どれだけお金を積んでもAppleはイエスとは言わないでしょう。
今回のアップデートで、AirTagやAppleWatchでのロック解除、楽天モバイルの正式対応など盛りだくさんではありますが、もっとも広告業界は恐れていたことが現実になってしまったという衝撃のアップデートと言わざる終えません。
たとえ、iPhoneでChromeを使っていてもトラッキングは許可になっていません。iPhone自体が「Webサイト超えトラッキングを許可」はOFFになっています。
2021年1月から3月までのGAFAの売上は6兆円を越しています。このアップデートの影響は7月から9月の売上がどうなるかで読むことができると思います。